ニセ科学フォーラムの話、もういい加減飽きてきましたけど意地で完結させます。


第3部は「ニセ科学健康情報の見方考え方」の講演でした。
この講演が個人的に一番面白かったです。まあこんな、ほぼヨーグルトだけのブログをやっているぐらいなので・・・
情報量がとても多かったので、個人的に面白かった内容を箇条書きにしてみました。


◎薬剤の研究開発においては、基礎科学(物理・化学)→基礎医学(生理学・生化学)→基礎医学(病理学・病態学)→臨床医学(内科・外科)と段階を踏んで効果を検証するが、ニセ科学的な健康情報がこれらのどの段階があやしいか、分けてみると見分けやすい。


ホメオパシープラセボプラシーボ効果)ではない、という研究論文がネイチャーやランセントといった権威ある雑誌に掲載されたが、(よく載りましたよね・・・)その論文の追試をして再現性が得られなかったという論文も、その後同じ雑誌に掲載されている。


◎”血液さらさら”をはじめに言い出したのは、NHKためしてガッテン '99年11月24日の放送である。ただし番組で検証した、たまねぎが血液をさらさらにする効果の確認方法は、科学的に正しいとはいえないものだった。そののち同番組で同様のテーマを2度扱っているが、たまねぎの血液さらさら効果は、他の食品より低いと放送している。


◎血液さらさらの証明によく使用されるMCFANは、血液の固まりやすさ、赤血球の変形などを確認するための機器だが、まだ検証途上であり、実際の臨床には使われていない。


◎そもそも”血液さらさら”とはなんだろう。真のエンドポイント(目的)は病気にならないことであるはずであり、血液さらさらは代用エンドポイントにすぎない。


◎抗酸化作用を謳うβカロチンサプリメントを、18000人というとても大規模な人数で効果を検証した論文がある。検証した結果、飲んでいない人に対し、飲んだ人のほうが死亡率が高いという結果であった。βカロチン同様に研究がすすんでいるビタミンEにおいても、むしろ害があるという結果が出た。


コエンザイムQ10では今のところ人間を対象にした検証が行われていない。


◎今ある健康情報が将来も正しいとは限らない。


とても刺激的な内容でした。
サプリメントは実は害かもしれない。たまねぎの血液さらさらもうそ!?
これだけメジャーになっている健康情報でさえ間違っているとなると、世の中に出回るあらゆる健康情報が実際どうなのか、ひとつひとつ検証してみないといけないのでは?と思ってしまいます。
僕が健康にいいと信じて毎日食べているヨーグルトは、どの程度厳密な検証が進められているのだろう?
なんだか不安になってきたので、論文を漁って、”そういう目線で”確かめてみようと思っています。


演者の小内氏のホームページにも健康情報の見分け方についていろいろ掲載されています。掲載日をみると情報が古いようですが、あまり古さを感じなかったところをみると、ニセ科学な健康情報を取り巻く環境は、いっこうに改善されていないということなんでしょうね。
健康情報の読み方